山形県(お米の取り組み)

山形県は、恵まれた自然と先人からの質の高い稲作技術により、良食味米の御三家(山形ササニシキ・新潟コシヒカリ・宮城ササニシキ)と呼ばれていました。しかし1990年から始まった自主流通米の入札で、東北のササニシキがコシヒカリに水をあけられるようになり、それに伴って山形ササニシキも大きく値を下げました。こうした中で緊急に開発されたのが、1994年から16年連続して特Aをとった「はえぬき」、そして2010年にトップブランドを目指している新品種「つや姫」です。
「はえぬき」は全品種の中でも早急に開発・登録・作付した品種です。ササニシキに代わる県産米を、1992年の「やまがた国体」までのたった2年間でやるという無理難題のなかから開発されました。品種開発の目処はたっていたのですが、作付けするのに必要な種子が絶対的に足りませんでした。

そこで、二期作が行われている沖縄県石垣島で一次増殖、1991年1月13日播種、2月5日田植え、5月24日に収穫、5月28日に空輸で山形に種子を届けました。1991年には15kgしかなかった原種が、約1tまで増殖することができました。その種子を山形県内に二次増殖させるという”ウルトラC級”の手法で、1992年山形の作付けのほとんどが「はえぬき」と、同じく開発された「どまんなか」になりました。

「つや姫」は2010年秋にデビューされた山形期待の新品種です。「つや姫」の最大の特徴は作付けルールです。技術力に優れた生産者による登録制、作り方は全て有機栽培・特別栽培とし、産地マップ内での作付け・栽培マニュアルの厳守としています。


参考文献:財団法人 日本穀物検定協会 特Aへの道&米の消費拡大方策